第廿肆話【発情期】



眩しい陽射しが降り注ぐ六月の午前中―
六月三日の土曜日

今日は何は何だか朝起きてからずっと気分が悪い
別に熱があるとか、頭が痛いと言う訳ではなかったが…
目の焦点が微妙なのだが合わない、昔から目はあまり良い方では無かったがこれと言って生活に支障が出るほど悪くは無かった
多分疲れかストレスの所為だろうと安易に考えていた

今現在は



+++

時刻も午前十時を迎えようとしていた
今日の天気はピーカンの晴れだったので青空には雲一つなかった

だが、俺の体調は時間を増す毎に段々と悪い方へと向かって行っていた
起きてすぐは目のピントが合わないくらいだったのに、今は何だか手足や頭が熱い
居間にある小箪笥の引き出しの中に体温計が入っているので取り出して測ろうとしていた

しかし、思う様に体が動かない今はその引き出しの取っ手に手を掛けるのにも苦戦を強いられていた

「モミジちゃ〜ん、ん?如何したね?」

片手に叩きを持ったじいちゃんが半分ほど空いた襖の間からヒョコと顔を出して俺を覗いている

今日は天気が良いからとじいちゃんが家のプチ大掃除をしよう!と張り切っていた
だけど俺は気分が優れなかったので正直居間でサボっていたい気分だ

「何か探し物かえ?」
「えっと…あーいや……あ、俺何したらいい?」

本当はその場で座っていたかったが流石にそれは如何せん、この家、真田家の住人、居候として家の掃除をサボるなど言語道断
俺は気分が悪いのを堪えて立ち上がった

「そうだね〜…じゃぁモミジちゃんは台所頼めるかい?最近換気扇の掃除をしてなかったからの〜そろそろ綺麗に磨かんとな、
替えのカバーは下の戸の中にあるからね」

「それじゃヨロシク」と言ってタッタと廊下を歩いてゆく
俺は鈍くて重い脚をよっこらせと動かして居間のすぐ後ろにある台所へと歩を進めた
歩く度にちょっとだったが眩暈がしている

「…シンクとコンロは綺麗だな…換気扇か〜…確か俺が来てからまだ一回しか掃除してなかったっけ…わぉカバーが真っ茶色〜…汚ねぇ〜」

俺は重たい体を動かして近くにある椅子を踏み台にして油で汚れた換気扇のカバーを取り外した
ベチョーと茶色の油汚れの塊が手に付く、俺はおぇと嗚咽してすぐさまその汚く汚れたカバーをシンクに落とした

「…とりあえずゴム手袋取ってこよう…あとビニール袋とクレンザーと…風呂場から亀の子タワシだな」

俺は必要な物を取りに行く為に台所を出た
出てすぐ居間にミツが居た、彼は両手に銀色のバケツを携えていた、今から廊下と各部屋の窓を拭きに行くという
彼はとても張り切っている様子で「向こうが見えるまでピッカピカに磨くぞ〜!」と

「ホント…元気だなぁ〜……コッチは気分が悪いってのに」

俺は苦笑交じりで溜息を吐いた、出来れば彼に俺の仕事も任せたいと思った
ってそれは駄目だろう(苦笑)

「…さて、磨くか」覇気の無い声が何処にも響かない
先ずはさっきシンクに落としたカバーを捨てた、それから換気扇を取り外し洗った、だけどなかなか落ちない
クレンザーを使ってゴシゴシ擦るも強力な油汚れは綺麗いには落ちてくれない「何でツルリと落ちんのじゃ」と心の中で文句を言った

「漬け置きするか…ヨシ!本体を磨こう」俺は上方の換気扇を睨んで椅子に上った

掃除をしていく内に段々と気分が良くなったのか体が軽い、俺は良かったと安心した


+++

昼過ぎ…時刻は二時前10分くらいになろうとしていた
ミツとじいちゃんが一階に降りてきた、二人共「腹が減った」とヘトヘト顔で俺がいる台所にやって来た

「らっしゃい♪ミツじいちゃ…

フラリ、急に眩暈がしたかと思ったら俺の視界がおかしくなった

「モミジっ!!!」
「モミジちゃん!?」

二人の声が遠くに聞こえた、あぁ俺倒れたのかな…
遠のく意識の中でそんな事を考えていた


+++

「…ん……」

目の前に天井があった
顔の様なしみが無い、そうだこの部屋はミツの部屋だ
俺は彼の部屋の布団に寝かされていたのだ、何故この部屋なのかはその時はまだ頭が痛くてそこまで思考が回らなかった
俺は布団を剥ぎ取り起き上がった

「…頭いたっ?!」

俺は頭の痛みだけではなく別の、体の異変に気が付いた
何だか腰の辺りが浮いた様に、まるで水に浮かんでいる様な不思議な感覚に襲われていた
足元がふわふわ浮いた様で上手く足を出せない、一歩踏み出そうにも今に転んでしまいそうで怖かった

「(…俺…一体如何したんだよ……?)」

身体中に鳥肌が立ち例え様もない恐怖に襲われた
今まで十三年間生きてきて色々な、まぁ主に幼少期はすさまじい程死の恐怖と闘っていたけれど…それはさて置き

「俺死ぬのかな…なぁミツ…俺……」

俺は無意識に彼の名を呼んでいた、好きだからとかじゃなく多分物凄く心細いのだろう…
もし彼がいても俺を助ける事は出来ないだろうが…それでも俺は彼の名前を呼び続ける

「ミツ…ミツ…ミ…

ふらり

俺はまた倒れてしまった
泣きたいくらい切ない気持ちが胸に込み上げてきた、だけど俺は涙を流す事は出来なかった…

悔しいな……

「モミジっ!!」

ミツだった、彼は俺を抱えながら心配そうに顔を覗き込んだ

「大丈夫か?…さっき御主は台所で倒れたんだぞ?…熱でもあるのかと思ったがそうでもないし…一体如何した?貧血か?」
「……ミツ…ゴメンね…俺朝から気分悪くて…さっきは良かったんだけどさ、何だか変だよ…俺病気なのかな…?」
「モミジ…今病院に連れて行ってやるからな、すまぬなモミジ…っ…」

ミツの目に涙が今にも溢れそうになっていた俺はそんな彼の顔を見てとても切なくなった

俺の所為で彼が泣きそうになっている

「二人共如何した?ぬっ…モミジちゃん?おいミツキ、如何したんじゃ?」
「ジイさん?!あぁ…今からモミジを病院に連れていく、彼奴朝から気分が悪かったそうだ」
「何?そうなのかモミジちゃん…何処か痛むのか?頭か腹か?それとも手か足か?」

ジイさんは凄く心配した顔でモミジに駆け寄る
その姿はまるで孫娘を心配する爺の様だった

「…のね…腰の辺りが気持ち悪いんだ…それに気分も何か変だし…体が凄く熱いんだ…下半身が特に…何だか火傷しそう……」

必死にモミジが喋る、息は荒くなかったがその顔は何だか苦しげで

「下半身がのぅ…うむー…あっのうモミジちゃん、モミジちゃんはアレはもう来とるかい?」
「アレ…?」

ジイさんが妙な質問をしている
苦しそうにしているモミジが不思議そうな目でジイさんを見た

「その〜…女の子は皆来るアレじゃよ?」
「あ、あぁ…生理の事?…うん来てるよ一年くらい前に、それと関係あるのかな…?」
「分からんが…もしもって事もあるからの〜ワシは女の子の事はイマイチ分からんが…」
「そだね…あぁ言われてみればそれと似た感じかな?…股間がこそばゆいって言うか気持ち悪い?違うか気持ち良い…?何か分かんないや…」
「ぬ〜…何だか犬か猫かの発情期みたいだの〜?確かこんな感じらしいからの」

「ちょっちょっ///…二人共一体何の話をしておるのだっ??発情期って…ジイさん」

意味が分からないという様な顔をしてミツキが話に割って入って来た

「のぉミツキ、鳳凰には発情する季節はあるのかえ?」
「…は?///」
「は?じゃのうて…ホレ、如何なんかー?鳳凰には発情期は有るのかい?」
「しっ知らんわっ///…って意味が分からんし…鳳凰の発情期って…?……あっ…あーっ!!!!!!」

ミツは何かを思い出したかの様に大きな声を出して目の前にある本棚に向かって走った、如何したんだろう…?

「のぉ〜モミジちゃんは自慰はやったことあるかい?」

じいちゃんが俺にとんでもない事を質問してきた、俺は思わず恥ずかしくなって両目をぎゅーっと瞑った(※自慰…辞書で調べてみよう♪)

「…はっ?!…ある訳ないじゃんちゅっ中学生だよ///…えっと、アリ、マス///」

「あったぞ!モミジ…?如何した顔が赤いぞ大丈夫か…?」

ミツが本棚から分厚い本を取り出した、その本のタイトルは「妖怪図鑑」…題から察するに妖怪が載っている図鑑だろうか
彼はその赤くて分厚いボロい図鑑を床に広げペラペラとページを捲りだした

「あった!…鳳凰、妖鳥の一種。四聖獣の一匹、又の名を朱雀ってそこはいらん!…書いてないわ!」
「ホレっワシに貸してみぃ!」

ジイさんが儂の図鑑を取り上げて勝手にページを捲りだした
この妖怪図鑑は妖の儂でないと分からない単語が沢山書いて有る、しかし亀の甲より年の劫という感じであっという間に目的のページを探し出した

「あったぞ…何ナニ、妖怪に取り憑かれし人間はある年齢(12〜15歳)の間に一度のみ獣の様な発情期が訪れる。尚、この期間に性交及びそれに通ずる行為を
行えば100%の確率で妊娠する…ほぅ」

「……へ?………っ///なぁぁぁぁーー…マジで発情期?!ってにん…」
「ぬ〜…何なに、この文中からも分かる様に妖怪は女性にしか取り憑かないと言われている。だ、そうじゃよ、ほ〜こりゃ危険じゃな?」

そう言ってジイさんはパタンと図鑑を閉じ儂にポンと手渡した

「とりあえずモミジちゃんを布団に戻すぞ?」

俺は再び寝ていた布団に戻された
理由が分かって少しホッとしたが俺は自分が本当に妖怪なのだと改めて再認識させられた、ちょっとショックだった

「じゃぁモミジちゃん何かあったら呼んどくれ〜ミツキお前モミジちゃんを襲ったらイカンよー」

何だか楽しそうな顔をしていたので思わずムカついたけど
こっちはこの状態のモミジをどう対処すれば良いのか悩んでおるのに…儂は溜息を吐きながらモミジの側に静かに腰を下ろして
布団に横たわるモミジを見たら彼女は安心したのか既に夢の中だった


「全く儂の心モミジ知らず、だな…なんてなw」


+++

「ってあれ…なぁ…ミツ」

俺は心配そうに俺の側に座っているミツに疑問をぶつけた

「俺って妖怪なんだよな…?でも今じいちゃんが言ってたのって…妖怪に取り憑かれている人間って…なぁ俺って妖怪に取り憑かれてる人間なのか?それとも…
本物の妖怪なの……?」
「…モミジ、確かに…本には”妖怪に取り憑かれし人間”って書いてあった…いやしかし、妖力紙では間違いなく妖怪と出たし…ぬ〜…儂でも良く分からん!」
「…何だよそれー…っあっ///…やぁっ///っにゅぐぅっ…〜〜〜…///」

まただ、股間が疼く…俺はミツに見えない様にそっとズボンの中を弄って確かめた
やはりと言うかやっぱり…感じちゃっているみたいに濡れていた

「…///の、のうモミジ…どう言う感じなのだ?」
「…へ…?……あっ///あっはぁ…やっ///…触られたみたいな…あ…///…何かガマン出来ない…みたいな…死にそう…みたいな///」
「大丈夫か?!」

と、突然横になっていたモミジがガバッと起き上がった
彼女は顔を真っ赤にして苦しそうな目で儂を見つめてきた
熱でもあるかの様な潤んだ瞳は今にも壊れそうで、儂は不覚にも…我を忘れそうになってしまっていた

「モミジ…///その…」

「ゴメンね…ミツ…俺めーわくかけっぱなしで…あっ///…でも…も…おれみつがすきだよ…だからおれ…みつとなら…」
今の俺は後先なんて考えちゃいないだろう、でも良くないよなこんな考え…俺は泣きそうになったのを抑えた、全くこんな時だけ涙腺が弱くなるなんて卑怯だよ


「やっぱなんでも…ない///…このくらい自分で何とかしなきゃな…あっ///やだやだっ…助けてぇ〜///」

儂の理性の栓がポーンと外れそうになった…
布団の中で右に左に恥じらいつつ、それでも我慢の出来ていない彼女がめちゃくちゃ色っぽく見えてしまって…正直頭の中がピンク色で染まり掛けていた

しかし、今此処で彼女に手を出してしまえば確実に傷つけてしまう事になってしまう
勿論、儂だってモミジにそんな事はしたくない、だがしかし…

「すまぬが御主を助ける事は出来ん///…もし儂が御主を助けたら
「それでも…ミツが大好きだもん…優しいミツが好きだから///」

「っ…みつっおれをみごろしにしない…でよ…ほんろに…くるしいん…らよ…っあっあぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!!///っ」

彼女は苦しそうな表情でもがいている、友として如何にかしてあげたいのは山々だった
しかし、このままでは埒が明かない事も十二分に理解もしていた…儂は唾を飲み込んで覚悟を決めた

「分かった…だたし手で、手で触るだけだからな…///」必死に理性を保ちながら布団の中でもがく彼女にそう言った…
モミジは無言で首を縦に下ろした、儂はふぅと息を吐き心を落ち着かせようと無心になった(実際は別の事を考えて気を紛らわせただけだが…)


「…布団から出た方が良いかな…?服はこのままで良い…っ///」モミジが目を細めて甲高い声であえいだ、完全に限界に達しているのだろう
苦しいという気持ちは痛いほど分かっているのだが、まだ幼い子の少女に触れても良いのかと疑問に感じた

「(まぁ…儂も子供だけどな…それに好きだって言ってくれた…あ、いやそれはそう意味ではないし、そもそもこの状況を打破したい気持ちから来るものだろう…)」

何にせよ如何にかしてやらんことには…埒も明かぬし、このままでは他の男に手を出しかねん
と言うより手を出されようものなら…いやいやそれはマズいっ!!絶対あり得ん!

「安心しろ、儂が御主を助ける、からな…」儂がそう言うと苦しそうにもがいていたモミジがほんの少しだが和らいだ様に微笑んだ


掛け布団の薄い毛布を膝くらいまで剥ぎ取って彼女の履いているジーパンのベルトを外した、普段こんな事をしないものだから手付きが覚束無い…
今日の彼女の服装はシンプルで、白のブラウスにデニムのジーパンだった、これと言ってそそられる格好ではないのに心臓が飛び出しそうな程バクバクしていた

次に履いているジーンズを脱がす為にファスナーを下ろした、その時小さな小窓(社会の窓)から桃色の布が見えた…更に心音が激しく唸る
ズボンに手を掛けて下におろす、儂は彼女の真横に居るので少々脱がせ辛く少し手間取っていた、その様子を恥ずかしそうに片眼を手で塞ぎながらモミジが見ていた

多分、彼女が出来るとこう言う事を普通にするんだろうな、と脳裏に過った

「…モミジも女なんだな…///パンツちっせぇ」
「う、うるさぃ///…あっ…ミツはやくひてぇ…もう奥の方がヤバいんだ…///」

はぁはぁと息荒く喘ぎながら腰を左右に動かしている、まるでその手の雑誌に載っている漫画の様な動きだ…
儂は思わず自身の理性を抑え込む事が出来ずに堪らず彼女の股間を薄い布越しに中指で突いた、案の定彼女は腰をビクつかせ甲高い声で喘ぐ

「凄い感度だな…///妖怪に憑付かれた者は一生に一度これを味わなくちゃならんのか…大変だの…」
「うっ…煩いなぁー…はぁっ///こっち、だって好きで妖怪…やってんじゃ…ないんだぞぉ…っ///」

強がって眉間に皺を寄せていたがもう態度が言えていない、儂はびしょびしょに濡れたパンツを脱がせて更に中途半端だったジーンズも完全に脱がした
露わになった彼女の下腹部は以前見た時より大人っぽくなっている様な気がした、細くしなやかにくれたウエストに丁度良いサイズの尻
外国人だからなのだろうか、尚色っぽく見えた…儂は思わずニヤついた

「…らに笑ってんだよ…、……なぁ、もう思いっ切って挿れて良いよ…///」褐色の顔を赤面させて儂を見つめている

「〜…阿呆か御主、先程の話聞いてなかったのか?」
「好きな人のなら…嫌じゃないよ?///」
「…それはつまり、儂に責任を取れと言っておるのか?」

「……ミツの所為だよ///多分…ミツじゃなかったらこんな事言いたくないと思うし、触られるのも嫌、だから…///」
「そ…それではまるで儂の事が好きみたいじゃ…あ…(そう言う意味で言っておったのか…?)」

「…ーすまぬが今の御主にはそれは出来んよ?でもありがとう…///」そう言って儂は真っ赤に染まった彼女の頬に口を付けた
いつでもそうだ、この間も…

溢れ出た蜜を掬い出す様に中指と薬指で掻き出す…その際いちいち喘ぐ彼女の声が鼓膜に纏わり付いて何度も理性が飛び掛けた
分かっているが、今の状態の彼女は普通ではない、慎重に扱わなくてはならない


そうやって暫くその行為を続けている時だった…突然モミジが大きな声で叫びを上げた
儂はハッとして動きを止めた―




「あぁぁっ!!!やっやめてぇっ!!///」

どういう訳か儂の下でモミジが悲鳴を上げている、そこには今にも泣きそうな顔をした彼女が睨んでいるではないか…

「…モミジ?」
「抜いてっ抜いてぇぇ!!いやっ出来ちゃうっ!!」

そう儂は無意識に彼女を襲ってしまっていたのだ…儂は慌てて彼女から離れた
モミジはガタガタと震えていた

心臓が異様にバクバクしている

さっきジイさんが言った台詞が脳裏に浮かぶ「尚、この期間に性交及びそれに通ずる行為を行えば100%の確率で妊娠する」儂は身体中の力が抜けるのを感じた
ゆっくりと恐る恐るモミジに近づき彼女の耳元で囁く様に声を掛けた、モミジの顔色は元々褐色で少しくらい赤面しても分かりずらい

しかし今の彼女はハッキリと分かる位に耳まで真っ赤に染まっていた…、こんな色っぽい彼女は初めて見る、儂はこの時確信を持ってモミジを「女」として見た


「モ…モミジ………」
「アホミツ……一分無いくらいだったけど、あんな奥まで挿れてさ…俺もちょっと、感じちゃったし……//////」
「っ…///すっすまぬっ…その…責任は必ず取るから!!」
「…なぁ、産むって言ったらどうする…?」
「へ?」
「ジョーダンだよばか…流石にさっきのは怖かったけど…お陰でスッキリしたよ、チョットだけどね…///」
「…いやその…怒っておらんのか?」

「怒ってるよ」

「えっと…あっと…そのその……」

ミツがしどろもどろに慌てる
俺は「なんてね」と笑った

「もしその…出来てたら…金は出すから…本当にすま
「一瞬だったし大丈夫だよ、それとお金の話なんかしないで!…責任は…」
「責任は…?」

「耳貸して」そう言ってモミジが儂の耳をグイと引っ張った

儂は耳を疑った、このモミジが儂にそんな事を言うとは夢にも思わなかったからだ




不謹慎だったが儂は嬉しかった


「……///」



+++

その日の夜―

時刻はとうに十二時を過ぎていた…
明日は日曜日なのでまったりと夜更かしをしている

「ミツー」

儂が一人部屋で月を眺めていると突然彼女が儂の部屋に入って来た

「暗っ…こんな真っ暗闇の中で何ヤってんのさ〜自慰かーい?www」
「阿呆…///流石に萎えたわ」
「そうなのー?俺じゃ満足できなかったかな?」
「そうではない、ぞ///…それは?」

「コーヒーだよ〜一緒に飲もう?」
「…うむ///」

彼女は木のお盆を持って儂の側に来た

「あー月か…綺麗だねー満月じゃん?」
「あぁ…する事なくてな…」

欠伸が出た、側のモミジも欠伸をした、移ったかな

「またする?」
「何をだ?」
「昼間の続き」
「御主…///」

ミツが睨む、俺は「嘘だよw」と言ってニヤニヤ笑った、本当に彼は興趣が尽きない俺は心の中でまた小さく笑った…

「そのー…昼間の台詞は…その…いつまで有効なのだ?」
「さっき?…あーあぁ…そんなの俺達が生きてる限りだよ」



「そうか…それは良かった、じゃぁ儂はこれからも御主を守ってゆくぞ」



「約束だかんなミツ」
「うむ」







星が一つ流れた

今宵もいい天気だ―